働きながら税理士を目指す‼#3

働く

連載|働きながら税理士を目指す。

前回は、働きながら税理士試験の勉強を続けるために、最初に何を決めておくべきか、という話を書きました。

年数を長めに見積もること。何をやるかより何を減らすかを決めること。忙しい時期でもゼロにしない仕組みを作ること。

では実際に、勉強時間はどうやって作るのか。

今回は、働きながら税理士試験の勉強時間を確保する考え方について、もう少し具体的に書いてみます。

目次

  1. 平日に理想を求めすぎない
  2. 勉強時間は「余り時間」ではなく「先に押さえる時間」
  3. 平日と土日で役割を分ける
  4. 通勤時間とスキマ時間は積み上げで効いてくる
  5. 繁忙期は「維持モード」に切り替える
  6. 家族がいる人ほど事前の共有が大事

1.平日に理想を求めすぎない

働きながら税理士試験を目指す人が最初に苦しくなりやすいのは、平日の理想が高すぎることです。

毎日3時間、毎日完璧に、毎日高い集中力で回す。
もちろんそれができれば強いですが、実際には仕事には波があります。
顧客対応が長引く日もあるし、気持ちが切り替わらない日もあります。
疲れて帰ってきてから、毎日同じ質で勉強するのは簡単ではありません。

だからこそ、平日は最初から「完璧」を前提にしないほうがいいと思います。

平日は、勉強時間を大きく稼ぐ日というより、勉強の流れを止めない日と考えたほうが現実的です。
1時間でも、1時間半でも、あるいはその日によって濃淡があってもいい。
とにかく勉強との接点を切らさないことのほうが大事です。

ポイント:
平日に大事なのは、理想的な勉強量よりも、毎日机に向かうリズムを維持することです。

社会人受験は、学生受験のように長時間を一気に取るのが難しいです。
だから、毎日の出来不出来に一喜一憂するより、1週間単位、1か月単位で見たほうが続きやすいです。

2.勉強時間は「余り時間」ではなく「先に押さえる時間」

勉強時間は、空いたらやる、ではなかなか確保できません。

仕事が終わって、家のことが終わって、少し休んで、それで時間が余ったら勉強する。
この形だと、たいてい勉強時間は残りません。

なので、勉強時間は「余った時間」ではなく、先に予定として押さえる時間として考えたほうがいいです。

たとえば、朝の6時から7時は勉強する。
仕事帰りに30分だけ自習室やカフェに寄る。
夜は22時から23時だけ理論確認に使う。
こうやって、生活の中に先に入れてしまうほうが、継続しやすいです。

勉強を「やる気が出たらやるもの」にすると、仕事のある社会人にはかなり不利です。
やる気がなくても、その時間になったらやる。
そのくらい機械的に回したほうが、長期戦では安定します。

仕事の予定は先に入れます。
会議も訪問も打ち合わせも、空気で決まるわけではなく予定として押さえます。
勉強も同じで、予定として扱わないと後回しになります。

3.平日と土日で役割を分ける

勉強時間を作るうえで、平日と土日を同じように考えないほうがいいです。

平日は、仕事の影響を受けやすい日です。
その一方で、土日は比較的まとまった時間を作りやすい日でもあります。

なので、役割を分けたほうが効率がいいです。

平日は、理論確認、トレーニングの復習、ミニテスト、講義の消化など、比較的短い時間でも進めやすい内容を中心にする。
土日は、まとまった計算演習、答練の解き直し、苦手論点の整理、遅れている分の立て直しに使う。

こうすると、平日に「今日は2時間しかできなかった」と落ち込みにくくなります。
もともと平日は維持と前進、土日は回収と積み上げ、と役割を決めておけばいいからです。

ポイント:
平日に全部やろうとしないこと。
土日で何を取り返すかまで含めて、一週間で設計したほうが現実的です。

働きながら勉強する人は、1日単位で完結させようとすると苦しくなります。 1週間でバランスを取る発想のほうが、結果として長く続きます。

4.通勤時間とスキマ時間は積み上げで効いてくる

まとまった時間ばかりを勉強時間と考えると、社会人はどうしても不利になります。

でも、通勤時間やちょっとした待ち時間は、思っている以上に積み上がります。

理論の音声を聞く。
暗記事項を確認する。
前日に間違えた論点だけ見返す。
問題を解くほどではなくても、記憶をつなぐことはできます。

1回10分、15分だと短く感じます。
ただ、それが毎日積み上がると、1週間、1か月ではかなりの差になります。

もちろん、スキマ時間だけで受かるわけではありません。
でも、スキマ時間を使える人と使えない人では、差が少しずつ開いていきます。

特に理論系は、机に向かっている時間だけで勝負するより、日常の中で何度も触れるほうが記憶が定着しやすいです。

社会人受験で強い人は、勉強時間を特別な時間だけに限定していません。
生活の中に細かく勉強を差し込んでいます。

5.繁忙期は「維持モード」に切り替える

税理士事務所勤務でも、一般企業勤務でも、どうしても忙しい時期はあります。

その時期に通常モードの勉強計画を守ろうとすると、だんだん苦しくなります。
そして、計画通りにできない自分に嫌になってしまうことがあります。

だから、繁忙期は最初から維持モードに切り替えたほうがいいです。

維持モードというのは、合格レベルまで一気に伸ばす期間ではなく、勉強習慣を切らさないための期間です。

たとえば、理論1題だけ確認する。
問題を1問だけ解く。
講義を15分だけ聞く。
そのくらいでもいいと思います。

繁忙期に無理をして全部崩れるより、最低限でもつないでおくほうが、あとで立て直しやすいです。

受験生活は1年で終わらないことも多いです。
だから、ずっと全力で走るのではなく、強く踏む時期と守る時期を分けたほうが現実的です。

ポイント:
忙しい時期に必要なのは、前進量の最大化ではなく、習慣を切らさないことです。

6.家族がいる人ほど事前の共有が大事

独身のときと違って、家族がいる場合は自分だけの判断で時間を使えないことが増えます。

だからこそ、勉強時間の確保は気合いではなく、事前の共有が大事です。

たとえば、土曜日の午前中は勉強時間にする。
試験前の数か月は少し協力してもらう。
通学や答練のスケジュールを先に伝えておく。
こうしたことを曖昧にせず、あらかじめ共有しておくだけでだいぶ違います。

家族にとっては、何も聞いていないのに急に「今日は勉強したい」は負担になりやすいです。
でも、最初から予定として共有されていれば、受け止め方が変わります。

試験勉強は、自分一人の努力だけで完結しない場面もあります。
特に長期戦になるほど、周囲の理解や協力は大きな意味を持ちます。

勉強時間を作るとは、単に空白の時間を探すことではなく、生活全体の中で調整していくことでもあります。

まとめ

働きながら税理士試験の勉強時間を作るのは、簡単ではありません。

ただ、現実的に考えると、必要なのは特別な才能ではなく、

時間の使い方を設計することだと思います。

・平日に完璧を求めすぎないこと。

・勉強時間を先に予定として押さえること。

・平日と土日で役割を分けること。

・スキマ時間を軽く見ないこと。

・ 繁忙期は維持モードに切り替えること。

・ 家族がいる場合は事前に共有すること。

こういうことを積み重ねていくと、少しずつ勉強時間は作りやすくなっていきます。

社会人受験では、毎日理想通りに進むことのほうが珍しいです。

だからこそ、大きく崩れない仕組みを持っている人が強いのだと思います。

次回予告

次回は、働きながら勉強していると誰でも一度はぶつかる、途中でやめそうになったときの立て直し方について書いてみようと思います。

連載の流れ:
第1弾「働きながら税理士を目指す。」
第2弾「続けられる人が最初に決めていること」
第3弾「勉強時間はどう作るのか」
第4弾「途中でやめそうになったときの立て直し方(予定)」

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