働きながら税理士を目指す‼#5

働く

連載|働きながら税理士を目指す。

ここまで、働きながら税理士を目指すことについて、続けるための考え方、勉強時間の作り方、途中でやめそうになったときの立て直し方を書いてきました。

では、その先に何があるのか。

今回は、この連載の一区切りとして、資格を取ったあとに見える景色について書いてみます。

税理士資格を取れば、急にすべてが変わるわけではありません。
でも、確実に変わるものがあります。

目次

  1. 「税理士です」と名乗れることの重み
  2. 見える景色は、仕事の中で少しずつ変わる
  3. 仕事の選び方が変わってくる
  4. 資格を取っても、勉強は終わらない
  5. 資格があっても、すべてがうまくいくわけではない
  6. それでも目指す意味は十分にある

1.「税理士です」と名乗れることの重み

資格を取ったあとにまず感じるのは、やはり名乗れることの重みだと思います。

「税理士です」と言える。
たったそれだけのことのようでいて、これは大きいです。

仕事をしていれば、資格がなくてもお客様に信頼していただける場面はあります。
実際、日々の対応や仕事の質のほうが大事なのは間違いありません。

ただ、それでも資格があることで、最初の信用の入り口は確実に変わります。

説明の通りやすさ。
相談を受けるときの前提。
初対面での安心感。
そういうものが少しずつ違ってきます。

ポイント:
資格は、仕事の中身そのものを自動で良くしてくれるわけではありません。
でも、信頼のスタート地点を一段上げてくれる力はあると思います。

若いころ、「職業は何ですか」と聞かれたときに、きちんと名乗れる仕事に少し憧れがありました。
税理士資格には、そういう意味でもひとつの到達点のようなものがある気がします。

2.見える景色は、仕事の中で少しずつ変わる

資格を取った瞬間に、急に世界が一変するかというと、必ずしもそうではありません。

翌日から何かが劇的に変わるわけではないし、仕事の現場では相変わらず地道なことの連続です。
目の前のお客様対応も、申告も、確認も、判断も、日々積み上げていくしかありません。

ただ、その地道な仕事の見え方が少しずつ変わってきます。

自分の判断に対する責任の感じ方。
お客様から受ける相談の深さ。
「答える側」に立つ意識。
そういうものが、少しずつ変わっていきます。

受験生の頃は、とにかく受かることが目標です。
でも、資格を取ったあとには、「この資格を使ってどう仕事をしていくか」という次の問いが出てきます。

ここで初めて、合格はゴールではなく入口だったのだと実感する人も多いと思います。

3.仕事の選び方が変わってくる

資格を取ると、できる仕事の幅が広がるだけでなく、仕事の選び方も変わってきます。

もちろん、資格がなくても広げられる仕事はたくさんあります。
ただ、資格があることで、自分の専門性を軸に仕事を考えやすくなります。

どんなお客様と関わりたいのか。
どの分野を深めたいのか。
税務会計だけで勝負するのか。
他の分野にも広げていくのか。

そういった選択肢を、以前より現実的に考えられるようになります。

仕事は、目の前に来たものをただこなすだけでも回っていきます。
でも、資格を取ることで、自分で仕事の方向を決めていく感覚が少しずつ強くなってきます。

これは、独立している人でも、勤務している人でも、形は違っても大きな変化だと思います。

ポイント:
資格を取る意味のひとつは、仕事が増えることだけではなく、
自分で仕事の軸を作りやすくなることにもあると思います。

4.資格を取っても、勉強は終わらない

税理士資格を取ったあとに意外と強く感じるのは、勉強が終わらないということです。

受験の勉強は終わります。
でも、学ぶこと自体は終わりません。

税制は変わるし、実務も変わるし、お客様の悩みも一つではありません。
知識だけでは足りず、経験だけでも足りず、考え続けることが必要になります。

むしろ、資格を取ってからのほうが、勉強の意味は実務に直結していきます。

受験勉強のときは、合格するために学ぶ。
資格取得後は、仕事で役に立つために学ぶ。
同じ勉強でも、中身は少し変わってきます。

だから、資格を取ったあとに見える景色というのは、「終わった景色」というより、次の勉強が始まる景色なのかもしれません。

5.資格があっても、すべてがうまくいくわけではない

ここは少し現実的な話になりますが、資格があればすべて解決するわけではありません。

資格があっても、仕事で悩むことはあります。
経営で迷うこともあります。
人間関係で苦労することもあるし、体力の問題も出てきます。

つまり、資格は万能ではありません。

でも、それで価値がないという話ではありません。
資格は人生のすべてを解決する魔法ではないけれど、確実に土台にはなります。

迷ったときに戻れる軸になる。
自分の専門性を支える柱になる。
長い目で見たときに、自分の仕事人生を安定させる力になる。

資格の価値は、派手な変化よりも、そういう静かな強さの中にある気がします。

6.それでも目指す意味は十分にある

受験中は、「本当にここまでやる意味があるのか」と考える時期もあると思います。

何年も勉強して、時間も使って、お金も使って、それでも簡単には受からない。
そう考えると、迷いが出るのは当然です。

それでも、やはり目指す意味は十分にあると思います。

資格そのものの価値もあります。
でも、それだけではなく、そこに至るまでの過程で身につくものも大きいです。

長い時間をかけて積み上げる力。
途中で折れそうになっても戻ってくる力。
生活を整えながら続ける力。
そういうものは、合格後の仕事にもそのまま生きてきます。

資格を取ったあとに見える景色は、単に肩書きが増える景色ではありません。
自分が時間をかけて作ってきた土台の上に立っている、という実感の景色でもあります。

受験生活は決して楽ではありません。
でも、その先にあるものは、苦労に見合うだけの意味があると思います。

まとめ

税理士資格を取ったあとに見える景色は、華やかな変化だけではありません。

「税理士です」と名乗れることの重み。
仕事の見え方の変化。
仕事の選び方の広がり。
それでも続いていく勉強。
資格が土台として持つ静かな強さ。

そういうものが、少しずつ積み重なって見えてくるのだと思います。

資格を取ればすべてがうまくいくわけではありません。
でも、仕事人生の中で長く効いてくる力になるのは確かです。

働きながら税理士を目指している方にとって、この連載が少しでも現実的な励ましになっていればうれしいです。
苦しい時期があっても、積み上げた時間はきっと無駄になりません。
その先に見える景色は、思っているよりもしっかりと自分のものになるはずです。

連載のまとめ

ここまで、働きながら税理士を目指すことについて、5回に分けて書いてきました。

第1弾「働きながら税理士を目指す。」
第2弾「続けられる人が最初に決めていること」
第3弾「勉強時間はどう作るのか」
第4弾「途中でやめそうになったときの立て直し方」
第5弾「資格を取ったあとに見える景色」

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