連載|働きながら税理士を目指す。
前回は、働きながら税理士試験の勉強時間をどう作るか、という話を書きました。
平日に完璧を求めすぎないこと。勉強時間を先に予定として押さえること。平日と土日で役割を分けること。
ただ、どれだけ考えて準備していても、受験生活の途中で「もう無理かもしれない」と思う時期は出てきます。
今回は、途中でやめそうになったときに、どう立て直すかについて書いてみます。
目次
1.やめたくなる時期があるのは普通
税理士試験の勉強をしていると、途中で気持ちが切れそうになる時期は普通にあります。
仕事が忙しすぎる。
勉強しても点数が伸びない。
周りが先に受かっていく。
何年も続けているのに、まだ終わらない。
そういうことが重なると、「もうここまででいいかな」と思う瞬間は出てきます。
でも、それは自分だけではありません。
税理士試験のような長期戦では、途中で苦しくなる時期があるのはむしろ自然なことだと思います。
大事なのは、やめたくなったこと自体を異常だと思わないことです。
やめたくなる時期が来る前提で受験生活を考えておいたほうが、むしろ現実的です。
ポイント:
「やめたくなってはいけない」ではなく、
「やめたくなる時期は来る。そのときどう戻すか」を考えておくほうが強いです。
長く続く試験ほど、気持ちが波打つのは当たり前です。
問題は、波が来たことではなく、その波のまま完全に離れてしまうことだと思います。
2.まずは「今の状態」を認める
立て直しの第一歩は、気合いではなく現状認識です。
やる気が落ちている。
疲れている。
仕事で消耗している。
不合格のダメージが残っている。
家庭との両立で余裕がない。
こういう状態なのに、「いや、自分はまだ頑張れるはずだ」と無理に押し切ろうとすると、かえって崩れます。
まずは、今の自分がどこで苦しくなっているのかを認めたほうがいいです。
勉強時間が足りないのか。
メンタルが削られているのか。
仕事が重すぎるのか。
目標設定が高すぎるのか。
原因が見えないまま気合いだけで立て直そうとすると、同じところでまた止まります。
立て直しというのは、気持ちを無理やり上げることではなく、今どこが詰まっているのかを整理することから始まるのだと思います。
3.計画を守るより、計画を縮める
やめそうなときほど、元の計画にしがみつかないほうがいいです。
毎日3時間の予定だった。
土日は8時間やる予定だった。
今月中にここまで終える予定だった。
そういう計画が守れなくなると、自分が一気にダメになったように感じることがあります。
でも、本当に必要なのは、最初の計画を守ることではなく、受験を続けることです。
だから、苦しいときは計画を縮めたほうがいいです。
毎日3時間が無理なら1時間にする。
1時間もきついなら30分にする。
問題集10ページが無理なら2ページにする。
講義1コマが重いなら15分だけ見る。
それでは足りないように感じるかもしれません。
でも、ゼロにするよりずっといいです。
ポイント:
苦しい時期に必要なのは、理想の計画を守ることではなく、
「続けられる大きさ」にまで計画を縮めることです。
立て直しは、派手に再スタートすることではありません。
小さくても途切れさせずにつなぎ直すことだと思います。
4.再開のハードルは徹底的に下げる
一度止まった勉強を再開するのは、最初に始めるより難しいことがあります。
しばらく離れると、問題集を開くのも重い。
どこまでやっていたか思い出すのも面倒。
できなくなっている自分を見るのも嫌。
そうやって、再開がさらに遠のいていきます。
だから、再開するときはハードルを極端に下げたほうがいいです。
理論を1題だけ見る。
5分だけ机に座る。
前に間違えた問題を1問だけ確認する。
講義を少しだけ流す。
それで十分です。
ここで大事なのは、再開初日から元の勉強量に戻そうとしないことです。
いきなり取り戻そうとすると、たいてい重すぎてまた止まります。
受験生活は筋トレに少し似ています。
ブランクがあるときに、いきなり元の負荷には戻せません。
まずは軽い負荷で動き出して、そこから少しずつ戻していくしかないです。
5.他人と比較しすぎない
受験生活を苦しくする大きな要因のひとつが、比較です。
自分より後に始めた人が受かっていく。
同期が科目を積み上げていく。
SNSや学校で、頑張っている人の情報ばかりが目に入る。
そうなると、自分だけ取り残されているような気持ちになります。
ただ、それぞれ仕事の重さも違うし、年齢も違うし、家庭環境も違います。
同じ受験生に見えても、置かれている条件はかなり違います。
だから、本当は単純に比べられるものではありません。
比較が完全になくなることはないと思います。
でも、比較して苦しくなる時期は、視線を少し戻したほうがいいです。
他人が何科目受かったかではなく、自分が去年より少しでも前に進んでいるか。
そこを見たほうが、受験は続けやすいです。
税理士試験は、最後に5科目そろった人が勝つ試験です。
途中のスピードが多少違っても、そこで終わりではありません。
6.なぜ自分は目指したのかを思い出す
苦しくなったときに最後に支えになるのは、勉強法よりも、最初に持っていた理由だったりします。
税理士になりたかった。
職業としてきちんと名乗れる仕事がしたかった。
自分の仕事の幅を広げたかった。
将来の働き方を変えたかった。
自分の人生でこれだけはやり切りたかった。
その理由は、人によって違うと思います。
でも、途中で苦しくなったときこそ、その原点をもう一度見直す意味があります。
人は、目の前の答練や点数だけを見続けると、どうしても気持ちが縮みます。
けれど、その先にあるものを思い出すと、少し視野が戻ります。
受験勉強は苦しいです。
でも、ただ苦しいことを我慢しているわけではなく、その先に行きたい場所があって続けているはずです。
立て直しのときは、勉強のやり方を直すだけでなく、なぜ自分はこれをやるのかを確認することも大事だと思います。
まとめ
税理士試験の勉強を続けていれば、途中でやめたくなる時期は誰にでもあります。仕事が忙しい時期もあるし、点数が伸びない時期もあるし、不合格で気持ちが折れそうになることもあります。
でも、それは珍しいことではありません。
やめそうになったときは、まず今の状態を認めること。
計画を守るより、続けられる大きさに縮めること。
再開のハードルをできるだけ下げること。
他人と比較しすぎないこと。
そして、自分が目指した理由を思い出すこと。
こういうことを一つずつやっていくと、完全に止まってしまう前に、また少しずつ前に進めるようになります。
税理士試験は、順調な人だけが受かる試験ではないと思います。
苦しい時期があっても、止まりかけても、そこから戻ってこられる人が最後に残るのだと思います。
次回予告
次回は、この連載のひと区切りとして、税理士資格を取ったあとに見える景色について書いてみようと思います。
連載の流れ:
第1弾「働きながら税理士を目指す。」
第2弾「続けられる人が最初に決めていること」
第3弾「勉強時間はどう作るのか」
第4弾「途中でやめそうになったときの立て直し方」
第5弾「資格を取ったあとに見える景色(予定)」

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