「これから税理士業界を目指す人へ 税理士事務所職員の人生設計|試験勉強・結婚・独立・収入・開業費用のリアル体験談」

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税理士を目指そうか迷っている方へ。
今回は、「税理士事務所職員としての人生設計」をテーマに、私自身の経験や周りの同僚のリアルな話を交えてお伝えします。

1. 税理士試験と仕事の両立は現実的?

最初にぶつかる壁が「勉強時間の確保」です。
私が勤務していた頃は、科目によって違いがありますが、基本的には朝4時30分に起きて出社前に2時間勉強、通勤で行き1時間、昼間30分、帰り1時間、帰宅後1時間勉強が日課でした。これで、平日5時間半勉強できます。
合格までにかかった年数は約10年(全然勉強が手につかなかった年が3年くらいあります)。正直、勝負をかけて挑んで落ちた年(何度もあります)はかなりしんどかったですが、家族の応援や同じ境遇の仲間のおかげで続けられました。


2. 税理士事務所職員時代の1日のスケジュール(例)

  • 4:30 起床 勉強開始(演習問題)
  • 6:30 朝食 (いったん頭をリセット) 
  • 7:30 通勤(税法理論暗記)
  • 9:00 出社 メールチェック、今日のタスク整理
  • 10:00 顧問先訪問(月次監査・会計データ確認)
  • 12:00 昼休憩 税法理論暗記or問題集解く
  • 13:00 決算業務、申告書作成、チェック作業
  • 17:00 持ち帰りデータ取り込み・所長に業務報告
  • 17:30 退社 or 繁忙期なら残業
  • 18:00 通勤(税法理論暗記)
  • 19:30 帰宅、食事等
  • 21:00 勉強時間(直前期の4月~7月以外はここは自由時間)
  • 22:30 就寝 

繁忙期(12〜3月、5月)は残業が増えますが、ここで勉強時間は減っても続けられるかが勝負の分かれ目です。私は訪問型の事務所で修行していたので、1日の生活がルーティン化しやすいです。

弊社のような、お客様来社型の事務所・リモートOK・フルフレックスだとスケジュールの組み立て方はもっと柔軟ですが自己管理が難しくなります。私は訪問型の事務所で修行僧のような心持ちで同じ生活習慣を続けていました。


3. 繁忙期のストレス解消法

私のおすすめは、朝の軽いジョギング筋トレ
ジョギングや筋トレで勉強や仕事の事を考えない時間を意識的に設けることで脳がリセットされます。運動する時間が取れないときは、通勤時に1駅手前で降りて歩いたり、妻と一緒に夜散歩したり、軽いジョギングをして気分転換してました。


4. 勤務税理士の役職ごとの年収目安

※あくまで私の経験と周りの相場感です(地域によって変わります)

  • スタッフ(未経験〜3年):300〜400万円
  • 主任(経験5年~10年):400〜550万円
  • 課長・マネージャー:550〜700万円
  • パートナー税理士:700〜1,000万円以上

「独立した方が稼げる」と思う人もいると思いますし実際稼げますが、安定収入を得ながら経験を積むのも立派なキャリアです。


5. 独立開業にかかった費用(目安)

私が独立したときにかかったのは、ざっくり 200〜300万円 ほど。
内訳はこんな感じです:

  • 事務所の賃貸保証金・初期費用:100万円
  • パソコン・複合機・ソフトウェア:50〜80万円
  • 名刺・HP制作・広告費:30〜50万円
  • その他雑費(椅子・机など):20〜30万円

もちろん、自宅開業ならもっと抑えられますが、そうなると訪問型の事務所(弊社はお客様来社型)になります。通勤も無いので、プライベートと仕事の区切りがつけづらく、人も雇いづらいので、私は最初から小さなオフィスを借りました。


6. 結婚・家庭との両立

税理士業界は繁忙期がはっきりしているので、繁忙期や勉強することに対して理解してくれるパートナーの存在はとても大きいです。趣味を勉強にして、ウィンタースポーツはあきらめてください(笑)
資格の勉強をしているパートナーと結婚すると、相手はつまらないと思います。ずっと勉強しているので。私も旅行のときでも移動中や早朝など合間に勉強させてもらってました。

私は29歳の時に結婚しました。当時は4科目合格していました。その後32歳で5科目目合格、所属税理士を1年くらい経て、33歳の時に独立しました。当時はお客さんがすぐに見つかる自信もなかったので、体力のある若いうちに独立してお客さんが少ない内は、夜は夜勤で働いて稼げばいい。と考えていました。今考えると「絶対に若いうちに独立する」という選択肢だけではない、と思います。50歳くらいの時にこじんまり自分のオフィスを開く、というのも悪くなさそうです。


7. 私の失敗談

独立の初期は、顧問先を急激に増やしすぎたことが反省点。もう少し緩やかにお客さんを増やしていくと、独立ライフをもっと楽しめていたと思います。独立して1年くらいたつと、いつもスケジュールがいっぱいでした。いつも人手が足りなくてずっと採用活動をやっています。


8. これから税理士業界を目指す人へ

この業界は、努力が結果に直結する世界です。
勉強も仕事も大変ですが、その分「ありがとう」と言われる機会が多く、やりがいも大きいです。


これから目指す方は、まずは事務所で働いてみる(自分にこの仕事が合っているのか?)→勉強時間を確保する(実際やってみると本当にハードです。)→自分のキャリアプランを描く(5年で取れる人はなかなかいません)、この3ステップを意識してみてください。

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