4月は、会社にとっても人にとっても、少しだけ「仕切り直し」がしやすい季節です。
年度が替わる。空気が変わる。組織も気持ちも、ほんの少しだけ前を向きやすくなる。
だからこそこの時期は、売上目標や採用計画だけでなく、経営者自身の習慣を見直すのにも向いています。
経営者の仕事は、体力勝負でもあり、判断力勝負でもあります。しかもその両方を、1日だけではなく、何年も続けていかなければなりません。
そう考えると、習慣は単なる健康法ではなく、経営の土台そのものです。
経営者が取り入れている習慣としてよく聞くのが、ランニング、筋トレ、早朝ルーティン、そして読書です。
どれもよさそうに見えますが、実は効くポイントは少しずつ違います。
今回は、「どの習慣がいちばんすごいか」ではなく、「自分に何が足りないか」という視点で、この4つを比べてみたいと思います。
1.ランニング――頭の中を整理したい経営者に向く習慣
経営者とランニングの相性がいいのは、やはり「考える時間」を自然に作れるからだと思います。
走っている間は、会議もメールも入りません。目の前の細かい作業から切り離されて、頭の中に散らばっていた論点が少しずつ並び直されていきます。
実際、定期的な身体活動が思考・学習・判断力の維持に役立ち、不安や抑うつのリスク低下にもつながるとしています。
また、運動はストレス管理に有効で、気分の改善やリラックスにつながると説明しています。
つまりランニングは、単に体を鍛える習慣というより、思考を流す習慣に近いのだと思います。
頭の中が散らかりやすい人、考えすぎて煮詰まりやすい人、決断の前に一度整理したい人には、かなり相性がいいはずです。
2.筋トレ――気力より先に、身体の土台を立て直したい人へ
一方で、経営者によっては「考えが散らかる」の前に、まず身体がもたないことがあります。
移動が多い。座る時間が長い。会食が続く。昔より疲れが抜けにくい。
そういうときは、ランニングよりも筋トレのほうが合うことがあります。
筋トレについては、成人の抑うつ症状の軽減と有意に関連したとする分析があります。また、不安の低下や自己効力感の向上など、メンタル面での効果が示されています。
筋トレのいいところは、効果が比較的わかりやすいことです。
姿勢が変わる、疲れにくくなる、見た目が変わる。
経営者は抽象的な判断を続ける仕事だからこそ、自分の努力が目に見えて返ってくる習慣を持つ意味は大きいと感じます。
ランニングが「頭の整理」なら、筋トレは「自己効力感の回復」に強い。
最近なんとなく弱っている、忙しさで自信まで削られている、そんな感覚がある人には、筋トレのほうがハマるかもしれません。
3.早朝ルーティン――1日の主導権を取り戻す習慣
経営者の早朝ルーティンというと、朝5時起き、瞑想、日記、散歩、読書……と、なんだか完璧なメニューを想像しがちです。
でも、本当に大事なのは「立派な朝活」ではなく、朝の時間を他人に奪われないことだと思います。
ここで注意したいのは、早起きそのものが万能ではないということです。
睡眠不足のまま無理に朝型を目指せば、むしろ判断力は落ちます。
睡眠と認知機能に関する研究でも、睡眠時間や睡眠の連続性は実行機能や意思決定と関係し、睡眠不足は認知パフォーマンスの低下につながるとされています。
一方で、朝の光は体内時計の調整や覚醒に関わることが知られており、朝の明るい光が睡眠や翌日の覚醒度を助ける可能性も示されています。
つまり、経営者にとっての早朝ルーティンは、「とにかく早く起きること」ではなく、きちんと寝て、朝に整えることです。
始業前に10分だけ手帳を開く、外に出る、今日やらないことを決める。
そのくらいでも、1日の主導権はかなり戻ってきます。
4.読書――思考の深さと、他者理解の幅を広げる習慣
ランニングや筋トレが身体から整える習慣だとすれば、読書は言葉と思考から整える習慣です。
経営者が読書を続ける理由は、知識を増やしたいからというより、判断の解像度を上げたいからではないでしょうか。
しかも読書の価値は、ビジネス書だけではありません。
フィクション読書と共感や心の理論との関連を示す研究もありますし、読書習慣が長期的な認知機能の低下予防と関係する可能性を示した研究もあります。
経営者の仕事は、人を読むことでもあります。
採用、育成、営業、交渉、組織づくり。どれも相手の立場や感情を読み違えると、思ったより遠回りになります。
そう考えると、読書は知識の仕入れというより、他者理解の筋トレとも言えそうです。
5.4月からはじめるなら、どれがいいか
結局のところ、どの習慣がいちばん優れているか、という話ではありません。
大切なのは、今の自分に何が足りないかです。
頭が散らかっているなら、ランニング。
身体が落ちていて自信まで削られているなら、筋トレ。
朝から人や通知に振り回されているなら、早朝ルーティン。
判断が浅くなっている、視野が狭いと感じるなら、読書。
そうやって選ぶのが、たぶん一番自然です。
4月からの選び方、ひとことで言うなら
・考えすぎる人は、走る。
・疲れすぎている人は、鍛える。
・朝が乱れている人は、整える。
・視野が狭くなっている人は、読む。
6.まとめ
経営者に必要なのは、気合いや根性だけではなく、自分を整える仕組みなのだと思います。
ランニングでも、筋トレでも、早朝ルーティンでも、読書でもいい。
大切なのは、忙しくなるほど崩れやすい自分を、放置しないことです。
会社は、経営者の判断で少しずつ形づくられます。
そしてその判断は、毎日のコンディションに意外と左右されます。
だから習慣は、贅沢ではなく、経営のインフラなのかもしれません。
もし4月から何か一つ始めるなら、立派なものでなくて大丈夫です。
10分走る。腕立てを10回やる。朝に5分だけ外に出る。寝る前に数ページ読む。
そのくらいの小ささで、十分です。
経営者の習慣は、すごさよりも、続くことのほうが大事です。
私自身は、どれもやったことはありますが、続いているのはランニングと筋トレです。朝活はどうしても気合が入りすぎてしまいます。
成果を求めすぎて資格の勉強(TOEIC、社労士、中小企業診断士など)でスコアを取ろうとして追い込みすぎて寝不足になる→疲れ果てるという感じでした。
読書については年間〇冊読む!!みたいなノルマ達成に走ってしまう傾向があります。
もう少しゆるく考えられると長期的に継続できそうな気がします。
4月はなんとなく何か始めたくなる季節です。最近乱れがちな生活習慣を少しだけ整えようと思う確定申告明けの3月下旬です。まずは食生活の乱れを整えるところからかな(笑)

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