🪶税理士が診断士試験を志したきっかけ
中小企業診断士を目指そうと思ったのは、税務の枠を超えて“経営の全体像”を見られるようになりたいと思ったからです。税理士として顧問先の数字を見ていると、「もっと根本的な経営課題に踏み込めたら」と感じる場面が多々ありました。その思いから、仕事の合間を縫って中小企業診断士の勉強を始めました。
昔から、税理士は数字に関することはアドバイスできても、経営の専門家ではなくコンサルティングができない、というコンプレックスのようなものを感じていました。税理士試験に受かった後、一度中小企業診断士を受けるために勉強したことがありますが、すぐに挫折してしまいました。
当時の心境はなかなか思い出せませんが、おそらく税理士試験疲れでもう一度ガリガリ試験勉強をする気分にならなかったのかと思います。
そこから15年近く経ち、再びやってみようという気持ちになり2024年の診断士試験に向けて、勉強を始めることになります。
① 早朝が自分の勝負時間だった
診断士試験の前に、2023年に社労士試験を受験しました。その時に早朝の時間帯に勉強する習慣はすでについていました。社労士試験を幸いにもストレート合格できたので、朝勉強する習慣を維持できるうちに診断士試験にチャレンジするという決断に至りました。
早朝は、2時間以上勉強する、というのを自分に義務付けていました。TACの1次・2次ストレート本科生の講座を取っていたので、基本的にはカリキュラムに沿って淡々とこなしていくというのがスタートでした。
加えて、通勤中やスキマ時間はyoutubeやスマホアプリを利用していました。
2023年10月に勉強をスタートしましたが、早朝2時間、通勤30分、昼休み30分の合計3時間が基本の勉強時間でした。(直前期はこれを4時間~6時間という感じで増やしていきます。)
マイルールは年中無休で勉強することです。1日3時間という勉強時間は、飲みすぎた日の翌日も、なにかのイベントの時も、体調が悪くても死守しました。
② 一次試験はオーソドックスな暗記中心の学習
一次試験の7科目はひたすら教科書と問題集を回しました。大体3周~5周くらいを目安に回しました。
通信講座で授業を聴く→テキスト復習→問題集解くを繰り返していきます。スケジュールに沿って新しい科目が送られてきますので後半に向けてボリュームが多くなります。併せて自分の教科書を回すスピードを上げていきます。税理士試験で科目免除があるので「財務・会計」は免除にしましたが、基本テキストはさらっと勉強して問題集は解きませんでした。教科書や問題集には単元ごとに勉強した日をテキストや問題集の右上に記入して、いつ頃何回目を回したかわかるようにしておきました。
最も手こずった科目は経済学で、1次試験直前まで引っ張りました。経済学については、授業だけではなかなかスムーズに理解できず、youtubeなどを見て迷走していました。
勉強の計画については、あまり戸惑うところがなく、基本的には与えられたところを素直に繰り返し解く、というスタイルで特段問題はありませんでした。最も意識したところは勉強のピークを1次試験に持っていかない、というところです。1次試験で燃え尽きてしまって2次試験は記念受検で来年頑張ろう、ということにならないように、1次にセミピーク、2次にピークを持っていく意識で取り組んでいました。勉強の記録を見ても、1次試験の直前期の7月131時間、8月131時間、9月109時間、10月146時間となっています。意識しても9月に少し勉強時間が下がってしまっています。
③ 二次試験が最大の難所
一次試験合格後、翌日から2次試験がはじまります。今までいろんな資格試験を受けてきましたが、こんなに勉強の仕方がわからない、そして勉強の成果が現れない試験はないな、と思い知らされます。
最初から最後まで迷走し続けました。大学受験の時の長文読解を解いているときに似ていて、これを解くことに意味があるのか?と思いながらも繰り返し解くということをやっていました。
演習問題が返ってくると毎回ズタボロの点数でした。多分60点取れた演習はなかったと思います。だいたい30点~40点台、たまに50点台という感じでした。
とはいえ、解いているうちに型のようなものは少しずつ出来ていきます。
- 設問要求を分析する
- 与件文から根拠を抜き出す
- その根拠に基づいて提案を書く
この一連の流れを毎回同じ手順で繰り返し練習しました。成果や出口が見えない3カ月間でした。
④ モチベーションに左右されない精神と習慣づくり
診断士の勉強は長期戦です。その間、勉強を維持するためにはどんなときでも(やる気がないときも忙しいとき)やる、ということです。やらないという選択肢を設けない、ということが重要です。
「今日はあまり集中できていないな」とか「疲れているな」と感じても決められた勉強時間だけは絶対にこなします。その代わり、あまり質にはこだわりませんでした。音楽を聴きながら勉強したり、美容室のカラーの時間や、クルマの運転中でも、勉強時間としてアプリにカウントしていました。お酒を飲みながら勉強することもしばしばありました(笑)
受験勉強中、勉強のノルマについては絶対に達成できるように生活していました。ほとんどは勉強を習慣にすることでクリアできますが、飲み会の翌日の早朝勉強はなかなかハードでした。死人のような気分で勉強しました(笑)
勉強は“特別なこと”ではなく“日課”です。
忙しくても淡々と積み重ねる——それが一番の近道でした。
🏁 まとめ:中小企業診断士受験の学習ポイント
中小企業診断士の勉強は、財務諸表の裏にある経営の意図を読み解く力、数値だけでなく経営全体を捉える視点など役に立つ知識を診断士の学習を通して磨くことができます。
1次試験はオーソドックスな勉強の積み重ねが重要。
2次試験は迷走しつつも、最後まで改善を繰り返しやり続ける精神力が重要。
間違いなく2次試験が最大の難関になりますので、1次試験から2次試験への切り替えを高速で(できれば1次試験の翌日には2次試験の勉強に進む)行うことと、来年も受験できるという甘い考えに負けないように走り抜けてください。
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